飲食店の話 part 2

9月 23, 2019

前回のお話はこちら

料理人 VS サービスマン

料理人(特に洋食)は仕込みに時間がかかるので、どうしても長時間労働になってしまいます。

こればかりは、洋食の料理人という道を選んだ時点でどうしようもありません。

彼らに比べ、サービスマンというのはそこまで長時間労働の必要がありません。

俺たちに比べて、お前らは楽できていいよな~。

労働時間短けぇんだから、俺たちより給料安くて当たり前。

そういうスタンスらしいです(笑)

はっきり言って、全くの非論理的思考です。

彼らの頭の中は、石器時代です。

いかに効率的に利益を上げるか。それが商売の基本です。

労働時間が長けりゃ偉いのかよ?

違います。

(ですが、自分の時間を犠牲にして仕事をする姿には、敬意を持っています。)

料理人には料理人の、サービスマンにはサービスマンの、それぞれ役割があります。

サービスマンが必要もないのに、料理人と同じ時間に出勤して、何をすればいいのか。

はっきり言って、人件費と時間のムダにしかならない。

言っときますけど、キツイ思いをしているのはあなた方だけではない。

お客様と直接接するということが、どれだけしんどいのかわかってます?

お客様に接する最前線で、サービスマンはあの手この手を使っておもてなししてるんですよ。

楽しかったよ!また来るね!の一言を聞くために。

お客様が満足してくれれば、お店も、従業員も潤います。

目に見えない、口に入れて味わうこともできないサービスという厄介なものを提供するのは、本当に神経の擦り減ることです。

サービスってお客様によって、捉えられ方が違うからです。

だからお客様が100人いれば、サービスは100通りです。

完璧なサービスを追求すると、心身ともに消耗します。

なのに、仲間であるはずの身内からも理不尽に怒鳴られ、ネチネチネチネチと嫌味を言われ続ける。

気づいたら、ビルの高いところから下を見つめるっていう状態になります。

その時に、心の中には憎悪すらもありません。

感情を持つだけしんどくなるので、何も考えなくなります。

ただひたすらに、自分を責め続けます。

私が仕事ができないから、と。

そうして、パフォーマンスがダダ下がりになっていく

ミスが多くなる

怒られる

という悪循環に陥ります。

そして、逃げるか、このまま精神が崩壊しながら働くかの選択をする時が来ます。

なぜ、一緒に働く仲間を思いやり、リスペクトすることができないのか。

代わりはいくらでもいると思っているからなんです。

サービスマンのことを使い走りくらいにしか思ってないのです。

俺たち料理人は代わりはきかないけど、サービスマンなんかいくらでも代わりはいるだろw

ハイ、これが飲食店が常に人不足な理由です。

     

厨房のラスボス

そして料理人がよく口にするのが、

「俺は職人だ。」(ドヤァ)

は? なに言ってるか、ちょっとよくわかんない。

それ、どういう意味で言ってるんですかね?

俺、職人だから、口下手だから怒鳴っちゃうけど、ゴメンね~。

俺、職人だから、口より先に手が出ちゃうけど、悪気はないんだよ~。

俺、職人だから、超マニアックなことしてて機嫌悪い時あるけど、空気読んでね~。

うまくいかない時、ちょっと八つ当たりするけど、ホラ、俺って職人だからさぁ。

俺ってさぁ…、

もう結構ですよ~、おなかいっぱいですよ~w

職人だか料理人だか知んないけど、

新人の子やサービスマンはあなた方のサンドバッグではありませんよ~。

我々を痛めつけて、集中力を欠かせて怪我させたらどうするんですか?(実際に多い) 

そんなんだから、飲食店は常に人手不足なんですよ~? 

わかってます?

ていうか、全国のまっとうな職人さんたちにあやまってください。

よくあなた方が言う、伝家の宝刀

マジお前使えねえよな。もう帰れ!

お前なんかいなくても俺一人で店回せんだよ!

いい加減あなた方も毎日人をいびり続けることにも飽きたのでしょうか?

ウン、それがいい。

あなた方、お一人でなんでもできるようですから、お一人でお仕事なさるのが一番いい。

そうすればあなた方も、できないヤツを毎日怒鳴り続けるというストレスから解放されますよ?

お店の掃除も、お客様の予約対応も、PC関係、毎日の伝票整理、売り上げの計算、請求書の発行、お客様へのDM作成、ワインの仕入れ、接客、在庫管理、メニューの更新、洗い物、次の日のセッティング、

全部、お一人で出来るんですよね?

さすが職人ですぅwww。

私、本当に仕事を辞めたことあるんです。私では足手まといになるので…と言って。

3日後、僕が悪かったです。一人では到底やっていけません。お願いですから、戻ってきてもらえませんか?と、頭を下げてきました。

ナンダト…?
料理人が頭を下げたって…?

料理人が頭を下げるなんて、尋常じゃありません。

トランプ大統領がツイッターでアイムソーソーリーって世界中に言うようなもんです。

やばい、もうマジ地球が終わるかも(((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル)

くらいにびっっくりしました。

誇り高い職人が頭を下げたのです。

かわいそうなので、その時は戻ってあげました。武士の情けです。

これをきっかけに、私をサンドバッグのように扱うのを改めてくれればいいとも思ったのです。

これで少しは、楽しく働けると思って。

ま、私が甘かったよねww

結局私はこのお店から去ることになりました。

理想のお店とは

お客様に喜ばれ、愛されるお店が理想のお店なのか?

違います。

もちろんお客様あっての飲食業界です。

お客様の満足度を上げるために努力をするのは当然のこと。

ただ、それだけではダメなのです。

お店の中で働いているスタッフは、人間です。

そのことを忘れているお店が多いのです。

働いてくれる人があっての、飲食店でもあるのです。

人間だからミスをします。調子が悪い時だってある。みんながみんな打たれ強くはない。

みんな完璧じゃない。

足りないところを補い合って、助け合って、話し合って、売り上げを上げるという一つの目標にむかっていく。

そして、みんながひとつだけ小さな我慢をする。譲り合う。

そうすれば、みんな安心して楽しく働けるし、お客様のためにお店のために仲間のためにできることを考えるようになると思うのです。

人を理不尽に傷つけてはいけないと言っても、

考えられないヘマをやらかすからと、怒鳴っても仕方ない言い訳をされるのでしょう。

フォローをする、なぜダメなのか冷静に分析して指導する、という手段も取れるはずなのですが。

人を理不尽に傷つけるのは、お店にとってマイナスになることを覚えておくといい。

そうしている限りスタッフは定着せず、常に人手不足に悩まされ、そのしわ寄せが自分に回ってきて、結果自分の仕事に集中できずいろんな質を落とすことになります。

結果、長時間労働せざるを得なくなる。

自分の時間が持てないから、ストレスがたまる。

人を理不尽に傷つけて発散する。

人手不足に悩まされる。

悪循環です。

これが今の飲食業界です。

part1で冒頭に言った、

料理は普通なのに、お客様が通う店。

そういうお店って、共通点があります。

スタッフがみんな、心から楽しそうに働いているんです。

そりゃ、舞台裏では何やかや当然あるでしょう。

でもそういうお店って、料理人もサービスマンもみんな信頼という絆で結ばれています。

この信頼関係を築けているか、いないか。

私が思う理想のお店

お客様も、働いているスタッフもみんな幸せな店。

ウン、難しいだろうな。

だから、そうあるように努力し続けるお店。かな?

続く。